こんにちは。
今回は、奨学金に関する、ちょっぴり怖い話をします。
今では学生の半数近くが利用していると言われている奨学金。
奨学金と言えば、勉強をするために借りるお金ですし、なんとなくクリーンなイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし……勘違いしないでほしいのは、奨学金は借りたお金である以上、借金と同じである、ということです。
借金という印象とは程遠いかもしれませんが、奨学金も返済が遅れると延滞金が発生しますし、ブラックリストにだって乗ってしまいます。
そこでこちらでは、甘く見ていると怖い奨学金の延滞についてや、奨学金のデメリットなどについてお話していきましょう。
目次
奨学金って借金なの?
そもそも、奨学金とは何でしょうか?
簡単におさらいしましょう。
奨学金とは、大学や大学院などに通うために借りるお金のこと。
経済的に困難な学生に、学費を貸し出す制度です。
日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には「給付型」「貸与型」があります。
簡単に違いを説明すると、返済する必要があるものが貸与型、返済しなくて良いのが給付型です。
2つの奨学金の違いについては、こちらの記事に分かりやすく載っているので、参考にしてみて下さい。
大学に通ったことがある人は、周りの友達が奨学金を借りている、または自分が借りていたという経験があるのではないでしょうか。
勉強したいから、奨学金でお金を借りて大学に行く。
なんて聞くと、借金の薄汚いイメージとは、かけ離れているような気もします。
確かに、奨学金はギャンブルや浪費による借金とは違います。
勉強するためのお金ですし、それをギャンブルなどで作ったような借金と一緒にして欲しくない……というのが本音かもしれませんよね。
しかし、返済の必要がある以上は奨学金も「借金」だと言えるでしょう。
奨学金と借金の目次に戻る
奨学金と借金の2つの違い
奨学金と借金は基本的に同じだとはいえ、やはり違う点もあります。
ここでは奨学金とカードローンなどでの一般の借金との違いについて、2つほどお話します。
まず1つ目に、「返済開始時期」が挙げられます。
一般的な借金は借入をしてすぐに返済が始まります。
一方で、奨学金は在学中は返済の必要がありません。
借りた奨学金をいつから返せば良いのかというと、返済時期は決まっています。
奨学金の初回の返済は、卒業(貸与期間終了)の翌月から7ヶ月目の27日が期限となります。
つまり、返済が始まるのは、3月に卒業した場合、同じ年の10月からとなるのです。
また、2つ目に、「利息」です。
一般的な借金には利息が付きます。
一方で、奨学金には利息がつくタイプとつかないタイプがあります。
利息なしで借りることのできる奨学金を「第一種奨学金(だいいっしゅしょうがくきん)」といいます。
利息がつく奨学金を、「第二種奨学金(だいにしゅしょうがくきん)」といいます。
第二種奨学金は、一般的なカードローンなどに比べると、かなり低金利です。
参考までに、日本学生支援機構の奨学金の利息を見てみましょう。
利率は利率固定方式で年0.33%、利率見直し方式で年0.01%になります。(平成30年11月度)
一般的な消費者金融のカードローンの上限金利は18%程度、下限金利が4%前後ですので、カードローンと比較すると、奨学金の金利の低さがお分かりいただけるかと思います。
ただ、同じ奨学金を借りるとしても、利息無しで借りるに越したことはないですよね……。
奨学金と借金の目次に戻る
奨学金を借りるメリットとデメリット
「奨学金」という響きは、やはり「借金」よりも差し迫っていないイメージがありますよね。
借金=怖いものというイメージを持っている人は多いと思いますが、奨学金=怖いものという認識を持っている人はあまり多くないのが現実かもしれません。
一見メリットが大きく見えがちな奨学金ですが、デメリットもあります。
ここで、奨学金を借りるメリットとデメリットを確認しておきましょう。
【奨学金を借りるメリット】
・在学中には返済しなくて良い
・一般的なローンに比べて金利が低い(または利息なし)
・奨学金を借りることによって学びたいことが学べる
【奨学金を借りるデメリット】
・もし延滞すると取り立てが行われる
・3ヶ月以上の延滞があると信用情報がブラックになってしまう
・人的保証(保証機関ではなく親などが保証人になっている)の場合、延滞をすると保証人にも取り立ての連絡が行く
・延滞が長期にわたった場合、法的措置を取られて強制執行のリスクがある
メリットは、低金利・または利息無しで借りることができるという点でしょう。
社会人になってから返済すれば良いので、学生のときは勉強に集中することできるのです。
しかし、奨学金の返済が遅れてしまうと、デメリットがあります。
見ていただければ分かる人は分かるかもしれませんが、奨学金を延滞すると、通常の借金の延滞と同じような措置が取られるのです!
3ヶ月以上延滞をしてしまうと、「信用情報機関」に金融事故として返済を延滞したという情報が登録されます。
金融事故の記録が残っている間は、「ブラック」と呼ばれる状態になります。
ブラックになると、一定の期間クレジットカードを作ったりローンを組んだりすることができません。
奨学金を完済したとしても、5年程度はブラックの状態です。
そのため、かなり長い間不便を強いられることになるでしょう。
まさか……と思うかもしれませんが、奨学金も長期間放置していると、法的措置を取られてしまうことがあります。
状況によっては、強制執行によって財産、給与などの差し押さえを受けるという恐ろしい結果になることも考えられるのです。
ここまでデメリットについて長々と語ってしまいましたが、ぶっちゃけ奨学金はきちんと返済ができれば、なにも問題はありません。
しかし、最近は奨学金の延滞も増えており、平成26年では3か月以上の延滞が173,000人、3カ月未満の延滞が155,000人で、合計328,000人にものぼっているというデータが出ています。
このような、奨学金の返済に苦しめられている人が多いという事実からしても、奨学金の返済はなかなか負担が大きいことが伺えますよね。
奨学金と借金の目次に戻る
奨学金の返済を延滞すると遅延損害金が。。。
奨学金は在学中は返済しなくて大丈夫ですし、社会人になってからもすぐには返す必要がありません。
しかし!
だからと言って甘く見ていると、返済ができずに借金地獄に陥ってしまう可能性もゼロではないのです……。
もし奨学金の返済が滞ると、「延滞金(年5%~10%)」が発生します。
そして、気をつけてほしいのは、遅延損害金は、無利息の第一種奨学金の場合にも発生するということです。
第一種奨学金を利用している人も、無利息だからと安心しないようにしましょう。
また、第二種奨学金を利用していて返済が遅れた場合、通常の利息にプラスして延滞金が発生します。
返済しないと、借金はどんどん膨らんでいくことになります。
下手をすると、奨学金で借金地獄に陥ってしまうこともあり得るのです。
安易な気持ちで奨学金を借りてしまうと、万が一、安定した収入が得られなければ返済は滞ってしまうことが考えられます。
奨学金とはいえ借金なので、返済ができないとブラックリストに載ってしまいます。
奨学金と借金の目次に戻る
奨学金での借金、平均金額はいくら?
奨学金を借りるにあたって、他の人はどのくらい借りていて、平均はどのくらいなのか気になる人も多いと思います。
奨学金の平均借入額は、300万円前後だと言われています。
あくまでも平均なので、学部や在学期間よっても差があります。
医学部・薬学部や、大学院に行った場合はもっと多くなりますね。
多い人では、1,000万円以上の奨学金を借りている人もいるようです。
1,000万円と言ったら、住宅ローンに近い数字なので、少しおどろきですね、、、!
奨学金と借金の目次に戻る
奨学金の借金があると結婚にも悪影響がある?
奨学金を借りるということは、大学を卒業したと同時に、300万円ほどの借金を背負うようなものです。
一般的な借金の金額と比較してみると、かなりの高額の借り入れであることが分かります。
奨学金という借金を抱えている状態で、結婚なんてできるのでしょうか?
例えば、奨学金として300万円ほど借りたと仮定すると、月々の返済金額は17000円程度です。
一般的な借金は、月々の最低返済金額が1000円~10000円ほどです。
つまり、奨学金は、通常の借金と比較して、月々の返済金額の負担が大きいことが分かります。
これを、結婚してからも支払い続けるとなると、どれだけ大きい負担になるのかお分かりでしょうか?
例えば、結婚式や新婚旅行などのイベントを控えているのであれば、莫大なお金がかかります。
また、子どもが生まれるとなると、育児にもお金がかかりますよね。
子どもが、幼稚園や保育園に通う年齢になれば、入園料や毎月の保育料、制服代などもかかりますし、出費が募ります。
そんな中、奨学金の返済もして行けなければならないと考えると、奨学金が結婚に与える影響はかなりでかいのです。
以上のことからも、奨学金を抱えて結婚するのは厳しいと言わざるを得ません。
パートナーになる人が奨学金のことを知ったら、どういう反応を示すかも不安です。
パートナーの親御さんも、奨学金の事を知ったら、あまりいい顔はしないでしょう。
もしこれから奨学金を利用したいと考えている人がいたら、本当に奨学金を利用してまで進学したいのかどうか、改めて考えるべきかもしれません。
奨学金と借金の目次に戻る
奨学金で借金してる人の2chでの書き込みは?
公式サイトなどでは分からない、赤裸々な事情が分かる2ch(5ch)。
2chには、奨学金に関する書き込みも多く見られます。
その多くは、やはり返済が厳しいという内容。
なかには、奨学金返済のために、親子で自己破産をしたという書き込みまでありました。
奨学金で借金までして大学に行く意味があるのか? という意見がある一方で、やはり大学卒のブランドは大事、高卒とは初任給が違うという意見も。
奨学金を借りても、その給料の差で大卒の方が得するのでは? という意見もありました。
2chでは、奨学金返済を頑張っている人のリアルな生活や感想を知ることができます。
それを見て、奨学金を借りることがどういうことなのか、本当に借りる必要があるのかなど、考えてみるのも良いかもしれません。
奨学金と借金の目次に戻る
まとめ
奨学金について詳しくお話してきました。
奨学金は、借金です。
借金である以上、返済が滞れば借金地獄に陥ることだってあり得ます。
奨学金はギャンブルや遊びではなく勉強のために使ったお金だから、返済できなくなっても問題ないよね?
と思っている人もいるかもしれませんが、それは大間違いですよ。
お金を借りた以上は奨学金であっても借金であり、しっかり返済しなければならないのです。
仮に、奨学金を借り入れしたら、毎月1万円以上の金額を、10年以上かけて返済することになりますよね。
就職先の月給が低い場合、奨学金の返済は困難になるかもしれません。
かなり切り詰めて生活をしていかなければなりませんし、実際に延滞をしてしまっている人も多いのが現実です。
このような事実が分かった上で、本当に奨学金を借りたほうが良いのか、よく考えて見ることをおすすめします。
大学に行きたい! と思ったらすぐに奨学金に頼るのではなく、今一度、両親や保護者と話し合って、よく考えてみてください。
奨学金と借金の目次に戻る