テレビやラジオ、インターネットなどで良く見聞きする「過払い金」という言葉。
いったい過払い金とは何なのか、実は詳しいことはよく知らない、という人もいるかもしれませんね。
過払い金が何なのかしっかり理解していないと、自分に過払い金が発生していても取り戻せません。
過払い金が発生している可能性があるのはどんな人なのでしょうか?
時効もありますので、当てはまるかもしれない人は、なるべく早めに返還手続きをしましょう。
そこでこのページでは、過払い金について詳しくお話ししていきましょう。
目次
過払い金とは何か
よくテレビやラジオのCMで「過払い金」について聞く人も多いのではないでしょうか。
そもそも、過払い金て何? と疑問に思っている人も、実は結構多いと思います。
過払い金とは、簡単に言えば「払いすぎてしまった利息」のことです。
しかし、そもそもなぜ利息を払いすぎることがあるのでしょうか?
利息を払い過ぎで過払い金が発生してしまう理由は、過去に「グレーゾーン金利」で貸し付けを行う業者が存在していたからです。
グレーゾーン金利で貸し付けを行っていたのは、以下に該当する業社です。
・信販会社
・クレジットカード会社(キャッシング枠)
なるほど、つまり「過払い金」は、グレーゾーン金利のせいで発生してしまったものだというわけなのですね!
……と、この説明だけを聞いて、納得できる人はいないでしょう。
「違法な業者じゃないはずの大手消費者金融や信販会社、クレジットカード会社が、なぜそんな違法な金利を取っていたの?」
「というかそもそも、グレーゾーン金利ってなんぞや。」
と、まだまだ腑に落ちない点があると思います。
でも、これには、きちんとした理由があるのです。
グレーゾーン金利ってどういう意味?
まず、我々がお金を借りる時には、3つの法律によって守られています。
それは、利息制限法・出資法・貸金業法です。
簡単に言うと、以下のように説明ができます。
・出資法→貸金業者全般を規制する法律
・貸金業法→消費者金融や信販会社などのノンバンクを規制する法律
そして、グレーゾーン金利は、「利息制限法」と「出資法」の2つの法律が関わってくることになります。
2010年6月に、上記の法律が改正されました。
貸金業者が、顧客に貸し付けて良い金利の上限は「年20%まで」と決められたのです。
しかし、法律が改正される前までは
・出資法の上限金利→年29.2%
と、利息制限法と出資法の間で、利息の上限に差があったのです!
お金を貸し付ける業社は、この差を利用して、
「利息制限法の20%と、出資法の29.2%の間の金利でお金を貸してしまおう!」
と、多くの消費者金融が、20%~29.2%の金利を適用させていました。
また、驚くべきことに、利息制限法の上限金利を超えていても、出資法の上限金利を超えていなければ、罰が科せられることはありませんでした。
このように、利息制限法の上限金利である年20%と、出資法の上限金利である年29.2%の間の金利が、いわゆる「グレーゾーン金利」と呼ばれるものです。
そして、グレーゾーン金利が適用されたせいで、払わなくていい利息を余計に取られてしまったものが「過払い金」なのです。
過払い金とはの目次に戻る
過払い金のCMでよく聞く「過払い金返還請求」って?
過払い金については、どのようなものでなぜ発生するのか、大まかに理解して頂けたと思います。
では、よくCMなどで聞く「過払い金返還請求」とはどのようなことなのでしょうか。
過払い金は、本来払わなくて良かったはずの利息です。
ですから、請求をすれば、返還をしてもらうことができます。
過払い金の返還を、対象の消費者金融や信販会社、クレジットカード会社などに請求することを「過払い金返還請求」といいます。
過払い金返還請求はどうやって行う?
過払い金返還請求はどのように行うのか、見てみましょう。
消費者金融や信販会社、クレジットカード会社などから取引履歴を入手する
↓
引き直し計算を行う
↓
消費者金融や信販会社、クレジットカード会社などに過払い金の請求を行う
↓
和解交渉を行う
↓
和解が成立したら、過払い金が返還される
上記のような手順となります。
専門的な知識も必要になりますので、弁護士や司法書士などの専門家にお願いするほうが安心だと思います。
ただし、必ずしも返還が成功したり、過払い分の全額が返還されるとは限りません。
消費者金融や信販会社、クレジットカード会社と折り合いがつかない、相手が過払い金の返還に応じない、という場合もあります。
このようなケースでは、裁判所で訴訟を起こすことも必要となります。
過払い金請求はプロに任せよう
上記でもお話したとおり、過払い金を請求するためには、「引き直し計算」や「和解交渉」をしなくてはなりません。
引き直し計算は自分で行うこともできますが、計算はかなり複雑です。
また、最初に借り入れた日を遡ったり、いくら借り入れをしたか……などを正確に把握しなくてはなりません。
和解交渉に関しても、消費者金融相手に素人が立ち向かうのはなかなか難しいでしょう。
過去に、大手の消費者金融と言われていた「武富士」が、過払い金の返還が原因で倒産しました。
このような背景から、消費者金融や信販会社などとしては、できれば過払い金を返還したくないので、すんなり和解が進むとも限りません。
このように、素人が一人で対峙しても、過払い金請求は上手くいかない可能性が高いです。
しかし、弁護士や司法書士などの専門家に出て来られたら、消費者金融側としても逃げるわけにはいきません。
確実に過払い金を取り返したい、と思うのであれば、弁護士や司法書士などの専門家への相談はマストです。
弁護士や司法書士などの専門家に相談をすれば、素人には難しい引き直し計算や和解交渉も、正確に行ってもらうことができます。
専門家に相談すれば、個人で過払い金請求を行うよりも、確実に高額の返還が受けられるでしょう。
相談なら無料で行える弁護士や司法書士も多くなっていますから、過払い金が発生しているかもしれない人は早めに専門家に相談することをおすすめします。
過払い金とはの目次に戻る
過払い金が発生している可能性がある人ってどんな人?
過払い金は借金をしていればどんな人でも発生しているの?
住宅ローンや自動車ローンでも過払い金は発生するの?
クレジットカードのショッピング枠は?
など、さまざまな疑問がわいてきますよね。
どのような人に過払い金が発生している可能性があるのか、見ていきましょう。
住宅ローンや自動車ローンは過払い金の対象にならない
まず、住宅ローンや自動車ローンは、過払い金の対象とはなりません。
過払い金が発生するのは、消費者金融や信販会社、クレジットカードのキャッシング枠などを利用していた場合となります。
消費者金融やクレジットカードのキャッシング枠を利用していた人は可能性あり
過払い金が発生している可能性があるのは、
・クレジットカードのキャッシング枠
・信販会社のクレジットやローン
上記に該当するローンを利用していた人です。
銀行のカードローンやクレジットカードのショッピング枠は対象となりませんので注意してください。
借金をしていた期間が長く、借りていた金額が多いほど、過払い金の金額も大きくなります。
2010年の貸金業法改正より前に借りていた人は可能性あり
先ほども触れましたが、2010年の6月に、利息制限法や出資法などの法律が改正されました。
施行されてからは、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用しても過払い金は発生しません。
ですが、2010年6月以前に、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングを利用していた人は、過払い金が発生している可能性があります。
ただし、全ての貸金業者が、利息制限法の上限金利を超える金利を取っていたわけではありません。
そのため、2010年6月以前に借り入れをしていても、過払い金が必ず発生するとは限りません。
また、消費者金融や信販会社は2006年~2007年ごろから金利の引き下げを行っているため、2010年6月以前にお金を借りていても過払い金が発生していない可能性もあります。
過払い金とはの目次に戻る
過払い金請求をするとブラックリストに載ってしまうの?
過払い金の請求によって、ブラックリストに載ってしまうようなデメリットがあるのなら嫌だなぁ……と思う人も多いでしょう。
過払い金の返還請求では、既に完済している借金の場合にはブラックになることはありません。
ただし、まだ借金が残っており、過払い金の分を差し引いても借金が残ってしまう場合は、債務整理の情報が信用情報機関に登録されてブラックの状態になってしまいます。
また、結果的に借金の残額より多い過払い金が発生している場合でも、過払い金が決定するまでの間はその情報が信用情報機関に登録されることがあります。
過払い金とはの目次に戻る
過払い金は10年で時効?!心当たりのある人は急いで
過払い金は、最終の取引日から10年(完済している場合には完済から10年)で時効を迎えてしまいます。
民法では、債権を10年間行使しない状態でいると、その権利が消滅してしまうからです。
過払い金は、後回しにしていると過払い金が請求できなくなってしまう可能性があります。
最終の取引がいつだったかあまり良く覚えていない、かなり前だったかもしれないという人は、なるべく早く弁護士や司法書士などの専門家に相談をしましょう。
過払い金とはの目次に戻る
まとめ
過払い金とは何かについてお話してきました。
過払い金とは、2010年6月以前に適用されていた「グレーゾーン金利」によって払いすぎてしまった利息の事を言います。
この、過払い金の総額は10兆円ほどにのぼると言われており、過払い金が発生している人はまだまだいると見られています。
もしかしたら自分が対象になっているかもしれないという人は、早いうちに弁護士や司法書士などの専門家に相談をしてみましょう。
「もし間違いだったらどうしよう」などという心配は無用です。
無料相談などを利用し、確認だけでもしてみてはいかがでしょうか。
過払い金とはの目次に戻る